大切なサインに気づけば突然死は防げる
【生死を分けた4つの分岐点】

元気そうだった人がある日突然亡くなってしまう突然死。しかし、どんな病にも、生と死を左右する分岐点がいくつかあり、数々の重要なサインを見落とさないように注意することが、突然死を防ぐ上で大切なのです。

そこで、生死を分ける分岐点を間違った方向へ進んだ結果、命を落としてしまった症例をご紹介します。

60代女性の症例

◆最初の症状

最初の症状は、不意に心臓が突然暴走を始めたような動悸。最初は数分で消えていたものの、1ヶ月後には、2時間たっても治まらないように。
近所の内科を受診し、心電図など様々な検査を行った結果、高血圧以外は異常なし。以降、高血圧対策として、アルコールを控え、減塩やカロリーに気をつけるようになり、血圧測定を行うようになりました。

◆生死を分けた分岐点

(1)血圧測定をやめた

しかし、日々血圧の変化を記録しても、さほど大きな変化はなく、血圧測定をやめてしまいました。
実はこの動悸の正体は、心房細動。加齢や高血圧によって発生した心臓の異常な電気信号が、動悸や不整脈を引き起こすのです。
多くの場合、大事に至ることは少ないのですが、経過観察が大切です。たまに、高血圧によって、次第に動悸が慢性化し、常に心臓が震えることで、血栓ができやすくなってしまうことがあるのです。
もしこの時高血圧のケアをしていれば、病の進行を止められました。

(2)動悸を感じなくなる

最初の症状から半年後、頻繁に起こっていた動悸を感じることがほとんどなくなりました。結果、病院へ通うことや高血圧対策を止めてしまったのです。
しかし実際は、高血圧で動悸が慢性化したことで、身体が慣れて異変を感じなくなっただけ。
この段階で、循環器内科の専門医に症状を伝え、適切な治療を受けていれば、突然死は回避できたのです。

(3)頻尿を年のせいと思う

最初の症状から1年後、夜中にトイレで目を覚ますことが多くなりました。加齢が原因かと思い、病院で診察を受けることもなく、なるべく水分を摂らないよう対処しました。
しかし、頻尿の本当の原因は、心房細動の慢性化によって、心臓から利尿を促す成分が分泌されること。泌尿器科を受診し、動悸と頻尿の症状を訴えることも、突然死を回避する方法の一つでした。
この段階で、慢性的に起きている心房細動によって、心臓の中に、ミニトマトほどの大きさ(直径3~4cm)の巨大な血栓が作られ始めていたと考えられます。

(4)目がぼやけても気にしない

朝の忙しい時間、突然、右目の視界がぼやけて、はっきりと見えなくりました。しかし、30分ほどで、目のぼやけは解消し、元に戻りました。
彼女は疲れが原因と思い放置しましたが、実はこの症状こそ、突然死をもたらす恐ろしい病の最終警告。タイムリミットは48時間以内という時限爆弾を背負ってしまったのです。
血栓の一部が剥がれて脳に到達すると、目の神経に栄養を送る血管を詰まらせ、目の違和感が発生してしまったのです。
最後の生死を分ける分岐点は、目の症状の他に、手のしびれや脱力感、ろれつが回らないなどが知られています。
血栓は小さい物が多く、溶けると症状とともに消失します。この段階で病院にかかることができれば、薬によって巨大血栓を溶かす事が可能でした。

◆生死を分ける分岐点を越えてしまい…

運命の25時間後を迎えてしまった彼女は、意識不明になり、緊急搬送されましたが、帰らぬ人となってしまいました。
彼女の命を奪った病は、ノックアウト型脳梗塞(心原性脳梗塞)。心臓から剥がれ落ちた巨大な血栓が血流に乗り、脳に到達。脳細胞を壊死させるのです。

このような事態を避けるためにも、症状や高血圧に気を付け、生死を分ける分岐点を見極めることが大切なのです。

★ノックアウト型脳梗塞の重要なリスクは性格!?


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